第59回 日本消化器がん検診学会総会

プログラム・日程表

会長講演

「九州における消化器がん検診のあゆみ」

松浦 隆志(福岡県すこやか健康事業団 福岡国際総合健診センター 所長)
司会
渋谷 大助(日本消化器がん検診学会 理事長)

特別講演1

「早期胃癌の臨床病理像の変遷と超高分化腺癌の概念・分類」

岩下 明德(AI病理画像研究所 所長/福岡大学 名誉教授)
司会
北川 晋二(福岡県すこやか健康事業団 本部付設クリニック 院長)

特別講演2

「消化器内視鏡の最新の動向」

井上 晴洋(日本消化器内視鏡学会 理事長/
昭和大学江東豊洲病院 消化器センター センター長、教授)
司会
渋谷 大助(日本消化器がん検診学会 理事長/
宮城県対がん協会がん検診センター 所長)

教育講演1

「人工知能による内視鏡診断‐AIは人間を超えたのか?-」

平澤 俊明(癌研有明病院 上部消化器内科 副部長)
司会
入口 陽介(東京都がん検診センター 消化器内科 部長)

教育講演2

「大腸がん検診における画像診断の役割―大腸CTと内視鏡中心に―」

満崎 克彦(済生会熊本病院予防医療センター 副センター長)
司会
土亀 直俊(熊本県総合保健センター 所長)

倫理指針に関する講演会

「臨床データの取り扱いと規制―薬機法・臨床研究法・医学系指針・個情法―」

久津見 弘(滋賀医科大学 臨床研究開発センター)
司会
乾 和郎(藤田医科大学ばんたね病院消化器内科)

平成29年度消化器がん検診全国集計委員会

水口 昌伸(佐賀大学医学部 放射線医学教室)
司会
鎌田 智有(川崎医科大学総合医療センター 健康管理学)

シンポジウム

「大腸内視鏡検診の視点からみた大腸腺腫の取り扱い方法」(公募、一部指定)

司会
松田 一夫(福井県健康管理協会)
西田 博(医療法人城見会アムスニューオータニクリニック)

大腸内視鏡検査を用いた大腸がん検診はランダム化試験が行われている最中であり、まだ死亡率減少効果が確認されていないが、複数の質のよい観察研究では死亡リスクの低下が報告されている。また、U.S. Preventive Services Task Forceは既存のデータにmicro-simulationの結果も加味して大腸内視鏡によるスクリーニングを推奨している。

一方、日常臨床での大腸内視鏡検査あるいは便潜血検査陽性者の精検で腺腫に遭遇することはめずらしいことではない。これら腺腫を有する患者には、数年後に内視鏡による経過観察を実施するのが一般的であるが、反面この経過観察例の増加が内視鏡検査全体の実施を圧迫している現実も存在する。近い将来大腸内視鏡検診による死亡率減少効果がエビデンスとして確立し、利益―不利益バランスでも利益が大きいとなれば同検査の検診現場への導入も現実味をおびてくると考えられる。これは当然内視鏡検査数の増大を意味し、前述の腺腫の取り扱い方法を明確にしておかないと、内視鏡による経過観察例が急増し診療全体がstandstill状態になってしまうことが危惧される。

これまでにも本学会をはじめ関連学会で腺腫の取り扱いについては、議論の場が持たれてきたが、目前に迫る大腸内視鏡検診に向けて現実的な議論を新ためて行いたい。特に径5mm以下の微小腺腫の対応は、経過観察の必要性も含めて整理しておく必要があると思われる。内視鏡検査の視点からみた腺腫の経過観察方法、特に観察間隔をどの程度に設定できるのか、その根拠も含めて報告していただきたい。また、いつまで経過観察する必要があるのか、どのような条件が揃ったら検診に戻すことが可能か、各施設のデータから見えてくる対策案を提示していただきたい。

ワークショップ(公募、一部指定)

「理想的な対策型内視鏡検診における精度管理の課題と対策」

司会
安田 貢(安田内科)
伊藤 高広(奈良県立医科大学 放射線医学教室)

近年,胃内視鏡検診が対策型検診として普及しつつあるが,内視鏡を用いて一次検診を行う以上,受診者の期待に応えるには死亡率減少効果にとどまらず,内視鏡治療が可能な早期癌の発見を目標とすべきであろう。そのためには受診率対策は無論のこと,精度管理が頗る重要となる。現在の精度管理に関するプロセス指標に加え,今後は偽陰性率や粘膜内癌発見率の検討も必要ではないだろうか。画質評価やダブルチェックの質的向上も重要課題である。今後は一次検査医のみならず二次読影医の資格や,その教育・指導方法を再検討する場合も予想され,各地域の現状と対策を知りたいところである。

また,内視鏡検診は原則隔年で実施されることから,当面逐年受診が可能なX線検診をどう活用するかが重要だが,両者を併用した場合の統一したデータベース構築は可能であろうか。これからは胃がん検診を単年度の成績のみで評価するのではなく,内視鏡とX線を組み合わせた複数年度の効果を検討することも求められよう。内視鏡検診が導入困難な地域も少なくなく,クラウドなどを利用した広域化検診も検討されている。理想的な対策型内視鏡検診の精度管理のあり方について広く演題を期待する。

パネルディスカッション1(公募)

「これから求められる胃がん検診(X線・内視鏡との役割分担およびリスク分類)」

司会
入口 陽介(東京都がん検診センター消化器内科)
岡 政志(埼玉医科大学総合医療センター消化器肝臓内科)

現在、内視鏡検診が対策型として認められ、都市部では導入が進みつつあるがマンパワーの限界や精度管理体制の構築などの課題が指摘されている。一方、X線検診の処理能力は高いが施設間格差や読影医の激減など、どちらも克服すべき課題が多い。さらに、若年層のHp感染率の低下や除菌治療の普及もあり、胃がん検診を取り巻く環境は刻々と変化している。そこで、これから求められる胃がん検診のあり方について、精度管理、発見効率、経済効率を念頭におき、パネルディスカッションとして議論したい。

パネルディスカッション2(公募、一部指定)

「これから求められる大腸CT検査 -放射線医、消化器科医、技師の役割からみた現状と課題-」

司会
水口 昌伸(佐賀大学医学部 放射線医学教室)
永田 浩一(福島県立医科大学 消化器内科学講座)
特別発言
斎藤 博(青森県立中央病院 医療顧問)

2016年の本学会委員会報告にて、全大腸内視鏡検査で行うことが困難な場合の精検法の一つとして大腸CT検査の実施が妥当であると提言が出された。その後、十分な検討と議論の積み重ねを経て、2020年度より新たな本学会大腸CT検査技師認定制度として、「大腸CT検査技師認定」が開始される。今後、大腸CT検査に求められることは施設間格差を最小限にする標準化の実現であり、この認定制度の果たす役割は大きい。本パネルディスカッションでは、各施設の精度の経年変化や精度管理について明らかにしたうえで、放射線科医、消化器科医、技師のそれぞれ役割から精度高い大腸CT検査を実施するための課題と現状について幅広い議論を期待したい。